カノコソウとは吉草根とも呼ばれるオミナエシ科カノコソウ属のハーブで不眠症(睡眠障害)・不安・ヒステリーなどへの効能が期待されている健康食品です。
カノコソウは葉を乾燥させてハーブティーとしてもよく飲まれています(カノコソウ茶)。
カノコソウの効能 目次:
カノコソウとは
カノコソウの品種
・日本産カノコソウ(吉草根)
・ヨーロッパ産カノコソウ(セイヨウカノコソウ)
カノコソウの栄養
カノコソウの効能
・カノコソウの循環器系への効能
・カノコソウの消化器系への効能
・カノコソウの神経系への効能
・カノコソウの生殖器系への効能
・カノコソウの筋肉・皮膚・関節への効能
・カノコソウのその他の効能
カノコソウの臨床試験での効能
カノコソウの効能の科学的有効性
カノコソウの摂取量
カノコソウの摂取量上限(過剰摂取基準)・副作用・安全性
・カノコソウ摂取の注意事項
・カノコソウを摂取してはいけない人
・カノコソウの過剰摂取・長期摂取による副作用
カノコソウの相互作用
カノコソウの用途
・漢方・生薬
・治療用ハーブ
・アロマテラピー
・ハーブティー(健康茶)
・サプリメント
・チンキ剤
カノコソウの効能 参考文献
カノコソウとは:
カノコソウとは吉草根とも呼ばれるオミナエシ科カノコソウ属のハーブで不眠症(睡眠障害)・不安・ヒステリーなどへの効能が期待されている健康食品です。
カノコソウは葉を乾燥させてハーブティーとしてもよく飲まれています(カノコソウ茶)。
またカノコソウの学名はValeriana faurieiです。
カノコソウの品種:
カノコソウには次のような品種があります。どちらも同じオミナエシ科カノコソウ属に属するカノコソウですが種が異なります。
ただし効能に大差はありません。
日本産カノコソウ(吉草根)
日本産カノコソウは吉草根とも呼ばれ、カノコソウの根が生薬名「吉草根」として日本薬局方に収録されています。
ヨーロッパ産カノコソウ(セイヨウカノコソウ)
ヨーロッパ産カノコソウはセイヨウカノコソウと呼ばれドイツでは不眠症(睡眠障害)・不安などの治療用ハーブとして承認されています。
セイヨウカノコソウはバレリアンとも呼ばれています。
カノコソウの栄養:
カノコソウにはアルカノイド・アクチニジン・バレリン・コリン・タンニン・ノビリンなどのファイトケミカルが含まれています。
またカノコソウの根にはバレポトリエート・配糖体やボルニルイソバレル酸・ピネン・テルネオール・ボルネオール・カンフェン・ジペンテンなどのテルペノイド類および吉草酸・イソ吉草酸エステルなどのファイトケミカルが含まれています。
これらのファイトケミカルのほかに日本産カノコソウにはケッシルアルコール・ケッソグリコールなどの植物エステルが、ヨーロッパ産カノコソウ(セイヨウカノコソウ)にはモノテルペン類・セスキテルペンなどのファイトケミカルが多く含まれています。
カノコソウの効能:
カノコソウには次のような効能が期待されています。
(ただし必ずしも効能が科学的に確かめられているものばかりとは限りません)
カノコソウの循環器系への効能
・高血圧への効能(血圧を下げる効能)
・強心への効能
・動悸への効能
カノコソウの消化器系への効能
・消化管機能改善への効能
・駆風薬としての効能
・カノコソウの葉・茎・カノコソウ茶の下痢への効能
・カノコソウ茶の小腸の病気への効能
カノコソウの神経系への効能
・カノコソウ精油のヒステリーへの効能
・カノコソウ精油の神経過敏への効能
・カノコソウ精油の心臓神経症への効能
・カノコソウ チンキの神経衰弱への効能
・カノコソウ チンキのヒステリーへの効能
・セイヨウカノコソウに含まれるバレポトリエートの痛みへの効能
・セイヨウカノコソウに含まれるバレポトリエートの不眠症(睡眠障害)への効能(睡眠の質を高め中途覚醒を減少させる効能)*
(ただし効能が発現するまでに数週間かかります)
・セイヨウカノコソウに含まれるバレポトリエートの不安(軽度の不安障害)への効能**
・セイヨウカノコソウに含まれるバレポトリエートの痙攣への効能
・セイヨウカノコソウに含まれるバレポトリエートの偏頭痛(片頭痛)への効能
・セイヨウカノコソウに含まれるバレポトリエートの頭痛への効能
・セイヨウカノコソウに含まれるバレポトリエートの神経性消化管不全への効能
・日本産カノコソウに含まれるジクロルメタン・ケッソグリコールジアセテート・ゲッソグリコール-8-モノアセテートの鎮静への効能
・気分や集中力の改善への効能
・セイヨウカノコソウのイライラへの効能***
*不眠症(睡眠障害)にセイヨウカノコソウを用いる場合はセイヨウカノコソウエキス150-300mgを就寝1時間前に摂取、セイヨウカノコソウ チンキ剤の場合は小さじ3/4杯を就寝1時間前に摂取または商品に記載された摂取量の指示に従うこととされています。
**不安(軽度の不安障害)にセイヨウカノコソウを用いる場合はセイヨウカノコソウエキス150-300mgを食前1時間前に摂取、セイヨウカノコソウ チンキ剤の場合は小さじ3/4杯を食前1時間前に摂取または商品に記載された摂取量の指示に従うこととされています。
***イライラにセイヨウカノコソウを用いる場合はセイヨウカノコソウエキス配合サプリメント1カプセルを1日1-3回または商品に記載された摂取量の指示に従うこととされています。
カノコソウの生殖器系への効能
・セイヨウカノコソウの月経前症候群(PMS)への効能
・セイヨウカノコソウの乳房圧痛への効能
※これらの症状にセイヨウカノコソウを用いる場合はセイヨウカノコソウエキス配合サプリメント1カプセルを1日1-3回または商品に記載された摂取量の指示に従うこととされています。
カノコソウの筋肉・皮膚・関節への効能
・カノコソウの外用の湿疹への効能
・カノコソウの外用の潰瘍への効能
・カノコソウの外用の軽い外傷(特に裂傷)への効能
・カノコソウ チンキのフケへの効能
・セイヨウカノコソウの関節炎、特にリウマチ性関節炎への効能*
・セイヨウカノコソウの筋肉痛・筋肉のこわばりへの効能*
*これらの症状にセイヨウカノコソウを用いる場合はセイヨウカノコソウエキス配合サプリメント1カプセルを1日1-3回または商品に記載された摂取量の指示に従うこととされています。
カノコソウのその他の効能
・セイヨウカノコソウの過度に気持ちが高揚している状態(躁状態)への鎮静への効能
・セイヨウカノコソウの疲労回復への効能
・セイヨウカノコソウの むくみ への効能*
*むくみ にセイヨウカノコソウを用いる場合はセイヨウカノコソウエキス配合サプリメント1カプセルを1日1-3回または商品に記載された摂取量の指示に従うこととされています。
カノコソウの臨床試験での効能:
・セイヨウカノコソウは不眠症(睡眠障害)患者に対して不眠症の症状改善効果が認められた
カノコソウの効能の科学的有効性:
効能の有効性レベルB(一つの信頼できる調査において有効性を確認)
・不眠症(睡眠障害)への睡眠改善への効能
※機能性食品素材便覧-特定保健用食品からサプリメント・健康食品までによる評価
効能の有効性レベル3(効能の可能性が科学的に示唆)
・不眠症(睡眠障害)
・不安
※健康食品のすべて-ナチュラルメディシン・データベース日本対応版/同文書院による評価
カノコソウの摂取量:
参考文献にカノコソウの具体的な摂取量の基準は見当たりませんでした。
ただしカノコソウエキス(セイヨウカノコソウの根のエキス)のサプリメントについては吉草酸の含有量が0.4-0.6%に標準化されています。
カノコソウの摂取量上限(過剰摂取基準)・副作用・安全性:
参考文献にカノコソウの具体的な摂取量上限(過剰摂取基準)の記述は見当たりませんでしたが、次のような安全性や過剰摂取による副作用の指摘がありました。
カノコソウ摂取の注意事項
・セイヨウカノコソウ摂取後は眠気の心配があるため車の運転や機械の操作には注意が必要とされています
・子供がセイヨウカノコソウを摂取すると過度の眠気を生じる恐れがありますので、子供にセイヨウカノコソウを摂取させる場合は注意が必要です
カノコソウを摂取してはいけない人
・妊娠中の女性はカノコソウを摂取してはいけないとされています
・肝機能障害(肝機能不全)の人はカノコソウを摂取してはいけないとされています
・うつ病や不安障害などの精神疾患の治療で抗うつ薬SSRIを服用している人はカノコソウを摂取してはいけないとされています
カノコソウの過剰摂取・長期摂取による副作用
・カノコソウの過剰摂取は頭痛・動悸・麻痺・筋肉の痙攣・歩行障害・低体温・筋弛緩・疲労・肝機能障害などの副作用を引き起こす危険性があります
・カノコソウの過剰摂取は使用を中止したときにベンゾジアゼピンと同様の禁断症状を引き起こす危険性があります
・カノコソウの長期摂取はカノコソウ依存症の症状を引き起こす危険性があります
カノコソウの相互作用:
カノコソウには次の薬・サプリメント・ハーブとの相互作用があることが知られています。
・鎮痛効果のある薬・ハーブ・サプリメント
カノコソウと鎮痛効果のある薬・ハーブ・サプリメントを併用すると、それらの鎮痛効果や副作用を増強させる危険性があります。
・アルコール
カノコソウとアルコールを同時摂取するとカノコソウの鎮痛効果や副作用(過度の眠気)を増強させる危険性があります。
・アルプラゾラム
カノコソウはアルプラゾラムの肝臓での分解を抑制する恐れがあります。
そのためアルプラゾラムの投与を行っている人がカノコソウを摂取するとアルプラゾラムの治療効果が増強されて眠気などの副作用が強く表れる危険性があります。
・メラトニン
カノコソウは眠気を引き起こすことがあります。
そのためメラトニンを服用している人がカノコソウを摂取しますと過度の眠気を引き起こす危険性があります。
・肝臓で代謝(分解)されやすいシトクロムP450 3A4に分類される薬(CYP3A4)
カノコソウは肝臓で代謝(分解)されやすいシトクロムP450 3A4に分類される薬(CYP3A4)の代謝を抑制し、薬の副作用を強める恐れがあります。
シトクロムP450 3A4に分類される薬にはロバスタチン・ケトコナゾール・イトラコナゾール・フェキソフェナジン・トリアゾラムなどがあります。
・鎮静薬(中枢神経抑制薬)
カノコソウは眠気を引き起こすことがあります。
そのため鎮静薬(中枢神経抑制薬)を服用している人がカノコソウを摂取しますと過度の眠気を引き起こす危険性があります。
鎮静薬(中枢神経抑制薬)にはペントバルビタール・フェノバルビタール・セコバルビタール・チオペンタール・フェンタニル・モルヒネ・プロポフォールなどがあります。
・鎮静薬(ベンゾジアゼピン系鎮静薬)
カノコソウは眠気を引き起こすことがあります。
そのため鎮静薬(ベンゾジアゼピン系鎮静薬)を服用している人がカノコソウを摂取しますと過度の眠気を引き起こす危険性があります。
鎮静薬(ベンゾジアゼピン系鎮静薬)にはアルプラゾラム・クロナゼパム・ジアゼパム・ロラゼパム・ミダゾラム・テマゼパム・トリアゾラムなどがあります。
・カルシウム
セイヨウカノコソウとカルシウムを併用すると不眠症(睡眠障害)の症状改善効果が高まるようです。
・コーラ
セイヨウカノコソウとハーブのコーラを併用するとセイヨウカノコソウの効能を弱めてしまう恐れがあります。
麻黄(マオウ)
セイヨウカノコソウと麻黄(マオウ)配合の漢方を併用するとセイヨウカノコソウの効能を弱めてしまう恐れがあります。
カノコソウの用途:
カノコソウには次のような用途があります。
漢方・生薬
カノコソウの根が漢方・生薬の原料として使われています。
治療用ハーブ
セイヨウカノコソウの根が不眠症(睡眠障害)・不安の治療用ハーブとして使われています。
アロマテラピー
カノコソウの精油がアロマテラピーに使われています。
ハーブティー(健康茶)
セイヨウカノコソウがハーブティー(健康茶)として飲まれています。
サプリメント
セイヨウカノコソウエキスが不眠症(睡眠障害)・不安などの症状改善を目的としたサプリメントに配合されています*。
*関連サプリメント ブログ:
セイヨウカノコソウ サプリメント(作成中)
チンキ剤
カノコソウのチンキ剤が神経衰弱・ヒステリー・フケなどの症状改善を目的に使われています。
(ただしカノコソウのチンキ剤は不快な臭いと味があるためセイヨウカノコソウエキス配合サプリメントの方が好まれるようです)
カノコソウの効能 参考文献:
機能性食品素材便覧-特定保健用食品からサプリメント・健康食品まで/薬事日報社
健康食品のすべて-ナチュラルメディシン・データベース日本対応版/同文書院
ハーブの安全性ガイド/フレグランス・ジャーナル社
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