ビタミンAとはレチノールとも呼ばれるビタミンで、目や皮膚の健康維持・感染症・がんの予防効果などが期待できる栄養です。レバーをはじめ肉・乳製品・卵・脂肪分の多い魚などの食品に多く含まれています。
なおビタミンAは脂溶性ビタミンのため体内に蓄積されやすく、そのため欠乏だけでなく過剰摂取にも注意が必要なビタミンです。
ビタミンAの効果・摂取量・過剰摂取・欠乏症・ビタミンAを含む食品 目次：
ビタミンAの効果・効能
ビタミンAの摂取量
ビタミンAの摂取量上限（過剰摂取基準）
ビタミンAを含む食品
ビタミンA欠乏症
ビタミンAの過剰摂取（過剰症）
ビタミンAの栄養機能食品表示
ビタミンAの効果・摂取量・過剰摂取・欠乏症・ビタミンAを含む食品 参考文献
ビタミンAの効果・効能：
ビタミンAを含む食品やビタミンAサプリメントには次のような効果・効能が期待されています。
・目の健康維持（網膜の色素ロドプシン*の原料となる）
・皮膚や粘膜の健康維持効果による風邪などの感染症予防・免疫力低下（免疫力を高める）効果
・ビタミンA欠乏症の治療・予防効果
・栄養失調により起こる諸症状の改善効果
・マラリア・HIV（エイズ）の合併症予防効果
・白内障の予防効果
・目のレーザー手術後の回復促進効果（ただしビタミンEとの併用効果）
・乳がんなどへの抗がん作用（がん予防効果）
*ロドプシンは脳に視覚信号を伝達するたびに分解されてしまうため目を使うためには常に再合成される必要があります。
そのため目を酷使する人ほどロドプシンの材料であるビタミンAが必要となり、したがってビタミンAを含む食品やビタミンAサプリメントなどからビタミンAを摂取する必要があります。
またビタミンAのロドプシン合成を促すアントシアニンを含むブルーベリーなどの食品やブルーベリーサプリメントを同時に摂取すると目の健康により効果的です。
ビタミンAの摂取量：
ビタミンAの一日の摂取量の目安は年齢により異なり、成人男性で750μg、女性で600μg、ただし妊娠中の女性は70μg、授乳中の女性は420μg余分にビタミンAを摂取する必要があるとされています。
ビタミンAの摂取量上限（過剰摂取基準）：
ビタミンAの一日の摂取量上限（過剰摂取基準）は成人の場合で3000μgとなっています（ただし妊娠中の女性は70μg、授乳中の女性は420μg加えた値です）。
ビタミンAを含む食品：
ビタミンAは肉・乳製品・卵・脂肪分の多い魚などの食品に多く含まれ、特に次の食品に多く含まれています。
| 食品 | 可食部100g当たりビタミンA摂取量 |
|---|---|
| 鶏レバー | 14000μg |
| 豚レバー | 13000μg |
| あんこうの肝（あん肝） | 8300μg |
| 銀むつ | 1800μg |
| うなぎ蒲焼 | 1500μg |
| 銀だら | 1100μg |
上述のようにレバーや肝には一日の摂取量上限を超えるビタミンAが含まれているため、毎日のように食べると過剰摂取になってしまいますので注意が必要です。
ビタミンA欠乏症：
ビタミンAの摂取量が一日の推奨摂取量に満たない食生活を長く続けますとビタミンA欠乏症になる可能性があります。
（ただしビタミンAは体内でベータカロチンなどのカロテノイドからも合成されます）
ビタミンA欠乏症の症状としては次のようなものが挙げられます。
・夜盲症
・ドライアイ
・免疫力低下による風邪などの感染症
・口内炎
・肌荒れ
・骨粗しょう症（高齢者の場合）
・成長障害（発育不全）
ビタミンAの過剰摂取（過剰症）：
ビタミンAは脂溶性ビタミンのため過剰摂取すると体内から排泄されず肝臓に蓄積され過剰症を引き起こしますので、ビタミンAの過剰摂取には注意が必要です。
ビタミンAを過剰摂取し続けると次のような過剰症の症状が現れることがあります。
・嘔吐
・頭痛
・下痢
・乾燥肌
・骨障害
・脂肪肝・肝臓肥大（大量飲酒者の方は特に注意が必要です）
・奇形児の出産や流産（妊娠中の女性の場合）
・過労や過剰な興奮
・食欲不振
・胃の不調
・微熱
・過剰な発汗
・骨粗しょう症（更年期を過ぎた女性の場合）
・骨や関節の痛み
・筋肉痛
※ビタミンAは肉・乳製品・卵・脂肪分の多い魚などの食品に含まれ、さらに体内でビタミンAに変換されるベータカロチンは緑黄色野菜に含まれているため、偏食や食欲不振・極端なダイエットなどをせず通常の食生活を送っている限りは欠乏しない栄養と思われます。
ビタミンAの栄養機能食品表示：
ビタミンAは栄養機能食品の栄養成分の一つで、ビタミンA含有量135μg~600μgの栄養機能食品に限り「ビタミンAは、夜間の視力の維持を助ける栄養素です。ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。」との表示が可能となっています。
ビタミンAの効果・摂取量・過剰摂取・欠乏症・ビタミンAを含む食品 参考文献：
栄養の基本がわかる図解事典／成美堂出版
最新栄養成分事典／主婦の友社
機能性食品素材便覧-特定保健用食品からサプリメント・健康食品まで／薬事日報社
健康食品のすべて-ナチュラルメディシン・データベース日本対応版／同文書院