ビタミンB6とはリボフラビンとも呼ばれるビタミンで、皮膚や粘膜の健康維持・疲労回復の効果が期待でき、また糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変える際に欠かせない栄養素であるため不足・欠乏すると様々な欠乏症の症状が生じます。
ビタミンB6を多く含む食品にはレバー・うなぎ・牛乳・納豆などがあります。
ビタミンB6の効果・効能・欠乏症・過剰摂取・ビタミンB6を含む食品 目次:
ビタミンB6とは
ビタミンB6の効果・効能
・ビタミンB6の循環器系への効果・効能
・ビタミンB6の内分泌系への効果・効能
・ビタミンB6の肝臓への効果・効能
・ビタミンB6の皮膚への効果・効能
・ビタミンB6の感覚器への効果・効能
・ビタミンB6の肥満への効果・効能
・ビタミンB6の癌(がん)への効果・効能
ビタミンB6の効果・効能の科学的有効性
ビタミンB6摂取の臨床試験による効果・効能
ビタミンB6の摂取量
ビタミンB6の摂取量上限(過剰摂取基準)
ビタミンB6を含む食品
ビタミンB6欠乏症
ビタミンB6の特に不足(欠乏)しやすい人
ビタミンB6と薬との相互作用
ビタミンB6の栄養機能食品表示
ビタミンB6の効果的な摂取の仕方
ビタミンB6の効果・効能・欠乏症・過剰摂取・ビタミンB6を含む食品 参考文献
ビタミンB6とは:
ビタミンB6とは3種類の天然型ビタミン(ピリドキシン・ピリドキサール・ピリドキサミン)の総称で、ビタミンB2の働きにより補酵素型ビタミンB6(活性型ビタミンB6)に変わることで、たんぱく質の合成や皮膚・粘膜の健康維持などの様々な効果・効能を発揮するビタミンです。
そのためビタミンB2の不足はビタミンB6の不足や欠乏症の発症につながる恐れがあります。
またビタミンB6はナイアシン(ビタミンB3)の合成に必要なビタミンでもあります。
ビタミンB6の効果・効能:
ビタミンB6を含む食品やビタミンB6サプリメントには次のような効果・効能が期待されています。
ビタミンB6の循環器系への効果・効能
・遺伝性鉄芽球性貧血の治療効果
・葉酸サプリメント・ビタミンB12サプリメントとの併用による、高ホモシステイン血症の治療効果
ビタミンB6の神経系への効果・効能
・神経伝達物質セロトニン・タウリン・ドーパミン・ノルアドレナリン・ヒスタミン・ギャバの合成
・セロトニンレベルの低い多動性脳機能障害症候群の治療効果
・遅発性ジスキネジーの治療効果
・ダウン症・手根管症候群・糖尿病性神経障害の治療・予防効果
ビタミンB6の生殖器系への効果・効能
・月経前症候群(PMS)の治療・予防効果
・妊娠期の「つわり」の症状(吐き気・嘔吐)の改善効果
ビタミンB6の内分泌・代謝系への効果・効能
ビタミンB6の泌尿器系への効果・効能
・腎臓結石の再発リスク減少効果
ビタミンB6の肝臓への効果・効能
・脂肪肝の予防効果
ビタミンB6の筋肉・皮膚・関節への効果・効能
・皮膚・髪の健康維持効果
・非ステロイド性抗炎症薬との併用による慢性腰痛の改善効果
ビタミンB6の感染症への効果・効能
・エイズなどのウイルス治療効果
ビタミンB6の癌(がん)への効果・効能
・肺がんの発症リスク減少効果
ビタミンB6の効果・効能の科学的有効性:
効果・効能レベルA
サプリメント・栄養機能食品からのビタミンB6の摂取による皮膚・粘膜の健康維持効果
※機能性食品素材便覧-特定保健用食品からサプリメント・健康食品までによる評価
効果・効能レベル1(効果がある)
・ビタミンB6欠乏症の治療・予防効果
・鉄芽球性貧血の治療効果
・乳児のある種のひきつけの治療効果
効果・効能レベル2(おそらく効果がある)
・心臓病に関与すると考えられるホモシステイン値の上昇抑制効果
効果・効能レベル3(効果の可能性が科学的に示唆)
・妊娠中の つわり軽減効果
・月経前症候群(PMS)の治療効果
・セロトニンレベルの低い多動性脳機能障害症候群の治療効果
・腎臓結石の再発リスク減少効果
・遅発性ジスキネジーの治療効果
・喫煙男性の肺がん予防効果
※健康食品のすべて-ナチュラルメディシン・データベース日本対応版/同文書院による評価
ビタミンB6摂取の臨床試験による効果・効能:
効果があると断言はできませんが、ビタミンB6サプリメントの摂取による臨床試験により次のような効果・効能が示唆されています。
・遺伝性鉄芽球性貧血の治療効果
・月経前症候群(PMS)の治療効果
・セロトニンレベルの低い多動性脳機能障害症候群の治療効果
・喫煙男性の肺がん予防効果(ただし疫学調査)
・非ステロイド性抗炎症薬との併用による慢性腰痛の改善効果
・葉酸サプリメントとの併用による、高ホモシステイン血症の治療効果
・酸化マグネシウムとの併用による腎臓結石の再発リスク減少効果
・遅発性ジスキネジーの治療効果
※これらの効果・効能は病気の人に対する医師の処方によりビタミンB6を摂取した場合の効果・効能ですので、独自の判断によるビタミンB6の過剰摂取にはくれぐれもご注意ください。
(後述するようにビタミンB6には過剰摂取の危険性が指摘されています)
ビタミンB6の摂取量:
ビタミンB6の一日の推奨摂取量は成人男性で1.4mg、成人女性で1.2mg、妊娠中の女性で2mg、授乳中の女性で1.5mgとされています。
ビタミンB6の摂取量上限(過剰摂取基準):
ビタミンB6の摂取量上限(過剰摂取基準)は一日60mgで、それ以上ビタミンB6を摂取すると過剰摂取となり、次のような代謝異常による様々な副作用が生じる可能性があります。
・ビタミンB6を長期間一日500mg以上過剰摂取すると神経毒性や光過敏症が生じることがある
・ビタミンB6を長期間一日2000mg以上過剰摂取すると末梢性感覚性神経症が生じることがある
・ビタミンB6を長期間一日300mg以上過剰摂取すると神経毒性や光過敏症が生じることがある
・ビタミンB6を長期間一日1000mg以上過剰摂取すると腎臓結石が生じることがある
これら以外にもビタミンB6の摂取量上限を超えた過剰摂取は知覚神経障害・筋肉脆弱・精巣萎縮・精子数減少・吐き気・嘔吐・腹痛・食欲不振・頭痛・錯感覚・眠気・血中ASTの上昇・血中葉酸濃度減少・アレルギー乳房の痛みと膨張感などを引き起こす可能性があります。
ビタミンB6を含む食品:
ビタミンB6を含む食品としては肉・魚・牛乳・野菜・大豆などが挙げられ、特にビタミンB6を多く含む食品としてはレバー・魚・さつまいも・バナナがあります。
ビタミンB6欠乏症:
ビタミンB6は たんぱく質を合成またはエネルギーに変えたり、ナイアシン(ビタミンB3)の合成に欠かせない補酵素であり、したがってビタミンB6が不足すると代謝異常による様々な欠乏症の症状が表れます。
ビタミンB6欠乏症の症状としては次のようなものが知られています。
・貧血
・血色素減少
・動脈硬化性血管障害
・異常興奮
・抑うつ
・精神錯乱
・麻痺発作
・多発性神経炎
・免疫力低下
・
・腎臓結石
・湿疹
・脂漏性皮膚炎
・乳児痙攣
・歯石増加
・虫歯
・口内炎
・口唇口角亀裂
・口角症
・舌炎
・浮腫
ビタミンB6の特に不足(欠乏)しやすい人:
次に該当する人はビタミンB6が不足(欠乏)しやすくなります。
・抗生物質服用者
・妊娠中の女性
・ピル(経口避妊薬)常用者
また次の薬・成分はビタミンB6の吸収を阻害するため、これらの薬・成分を摂っている人もビタミンB6が不足(欠乏)しやすくなります。
・エストロゲン
・ヒドララジン
・テオフィリン
・イソニアジド
・アルコール
ビタミンB6と薬との相互作用:
ビタミンB6は次の薬との相互作用があるので摂取に当たっては注意が必要です。
・アミオダロン(抗不整脈薬)
ビタミンB6サプリメントとアミオダロン(抗不整脈薬)の併用は光過敏症の発症リスクを高める可能性があります。
・レボドパ(パーキンソン病薬)
ビタミンB6サプリメントとレボドパ(パーキンソン病薬)を併用すると、レボドパの効果を弱める恐れがあります。
ただしカルビドパも同時に摂取している場合は、カルビドパがビタミンB6サプリメントとの相互作用を防ぐ効果を持つため、相互作用の心配はないとされています。
・フェニトイン・フェノバルビタール(抗てんかん薬)
ビタミンB6サプリメントとフェニトイン・フェノバルビタール(抗てんかん薬)を併用すると、フェニトイン・フェノバルビタールの効果を弱める恐れがあります。
ビタミンB6の栄養機能食品表示:
ビタミンB6は栄養機能食品の栄養成分の一つで、ビタミンB6含有量0.3mg~10mgの栄養機能食品・サプリメントに限り「ビタミンB6はタンパク質からのエネルギーの生産と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です」との表示が可能となっています。
ビタミンB6の効果的な摂取の仕方:
食品などに含まれる天然型ビタミンB6はビタミンB2の助けを借りないと補酵素型ビタミンB6(活性型ビタミンB6)に変化できないため、ビタミンB6を含む食品やビタミンB6サプリメントを摂取するときは、同時にビタミンB2を含む食品やビタミンB2サプリメントも摂取した方が効果的です。
ビタミンB2はレバー・肉・魚・牛乳・乳製品・卵・納豆などの食品に含まれています。
ビタミンB6の効果・効能・欠乏症・過剰摂取・ビタミンB6を含む食品 参考文献:
栄養の基本がわかる図解事典/成美堂出版
最新栄養成分事典/主婦の友社
機能性食品素材便覧-特定保健用食品からサプリメント・健康食品まで/薬事日報社
健康食品のすべて-ナチュラルメディシン・データベース日本対応版/同文書院
野菜の科学/朝倉書店
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