ビタミンCとはアスコルビン酸とも呼ばれるコラーゲンの生成に欠かせないビタミンで、抗酸化作用による癌予防や免疫力低下(免疫力を高める)などの効果・効能が期待されているビタミンです。
ビタミンCは野菜・果物などの食品に多く含まれています。
ビタミンCの効果・効能・摂取量・過剰摂取・ビタミンC食品 目次:
ビタミンCの効果・効能
・ビタミンCの皮膚・粘膜への効果・効能
・ビタミンCの循環器系への効果・効能
・ビタミンCの消化器系への効果・効能
・ビタミンCの神経系への効果・効能
・ビタミンCの免疫系への効果・効能
・ビタミンCの内分泌・代謝系への効果・効能
・ビタミンCの胆のうへの効果・効能
・ビタミンCの関節への効果・効能
・ビタミンCの感覚器への効果・効能
・ビタミンCの感染症・ウイルスへの効果・効能
・ビタミンCの癌(がん)への効果・効能
・ビタミンCのその他の効果・効能
ビタミンCの効果・効能の科学的有効性
ビタミンC摂取の臨床試験による効果・効能
ビタミンCの摂取量
ビタミンCの摂取量上限(過剰摂取基準)・副作用
ビタミンCを含む食品
ビタミンC欠乏症
ビタミンCの特に不足(欠乏)しやすい人
ビタミンCと薬との相互作用
ビタミンCの栄養機能食品表示
ビタミンCの効果的な摂取の仕方
ビタミンCの用途
ビタミンCの効果・効能・摂取量・過剰摂取・ビタミンC食品 参考文献
ビタミンCの効果・効能:
ビタミンCを含む食品やビタミンCサプリメントには次のような効果・効能が期待されています。
ビタミンCの皮膚・粘膜への効果・効能
・コラーゲンを生成し皮膚や粘膜の健康を維持する効果
・しみ・そばかすの原因となるメラニン色素の生成を抑える効果
ビタミンCの循環器系への効果・効能
・ビタミンEとの併用摂取による心臓病の予防効果
・高血圧の治療薬との併用による高血圧の治療効果
・腸管での鉄・銅の吸収を高め貧血を予防する効果
・ニトログリセリン舌下錠使用患者の硝酸塩耐性を防ぐ効果
・血中コレステロール値の改善効果(悪玉コレステロールと中性脂肪を減らし善玉コレステロールを増やす効果)
・高血圧・心臓病・脳卒中の予防・再発防止および発症した際の死亡率低減効果
ビタミンCの消化器系への効果・効能
・非ヘム鉄の吸収率を高める効果
・胃のピロリ菌感染により発生した活性酸素の働きを抑える効果
ビタミンCの神経系への効果・効能
・ストレスを軽減する効果
ビタミンCの免疫系への効果・効能
・インターフェロンの体内産生を高め免疫力をアップさせる効果
・反応を抑制する効果
ビタミンCの内分泌・代謝系への効果・効能
・副腎皮質ホルモンの生成を促しストレスを軽減させる効果
ビタミンCの胆のうへの効果・効能
・女性の胆のうの病気の発症リスクを低減させる効果
ビタミンCの関節への効果・効能
・関節の損傷や変形性関節炎の症状を軽減させる効果
(ただし野菜や果物などの食品からビタミンCを摂取した場合の効果)
ビタミンCの感覚器への効果・効能
・ビタミンEとの併用摂取による白内障の予防効果
・ビタミンE・ベータカロチン・亜鉛との併用摂取による加齢黄斑変性症の治療効果
ビタミンCの感染症・ウイルスへの効果・効能
・抗ウイルス作用による風邪の治療効果
ビタミンCの癌(がん)への効果・効能
・発癌リスク低減効果および癌を発症しても死亡率を低減させる効果
(ただし野菜や果物などの食品からビタミンCを摂取した場合の効果)
・発がん物質ニトロソアミンの生成を阻害する効果
・大腸がん予防効果
ビタミンCのその他の効果・効能
・壊血病の治療・予防効果
ビタミンCの効果・効能の科学的有効性:
効果・効能レベルA
・コラーゲンの合成作用による皮膚・粘膜の健康維持効果
・抗酸化作用
※機能性食品素材便覧-特定保健用食品からサプリメント・健康食品までによる評価
効果・効能レベル1(効果がある)
・壊血病などのビタミンC欠乏症の治療・予防効果
効果・効能レベル2(おそらく効果がある)
・鉄分の吸収改善効果
・新生児のチロシン血症の治療効果
効果・効能レベル3(効果の可能性が科学的に示唆)
・口腔がん・乳がんの発症リスク低減効果
(ただし野菜や果物などの食品からビタミンCを摂取した場合の効果)
・風邪の治療効果
・高血圧の治療効果
・胆のう疾患の発症リスク低減効果
・骨や軟骨の減りを軽減する効果
・激しい運動が原因の肺の感染症の症状軽減効果
・女性の循環器系の病気や抹消血管疾患の発症リスク低減効果
・アテローム性動脈硬化の予防効果
・ピロリ菌が原因の胃潰瘍の治療効果
・2型糖尿病の尿蛋白(蛋白尿症)の減少効果
・ビタミンB群・ビタミンEとの併用摂取によるエイズ感染の予防効果
・治療薬との併用による加齢黄斑変性の治療効果
・血中の鉛濃度の低下効果
(ただし野菜や果物などの食品からビタミンCを摂取した場合の効果)
・危険度の高い妊娠合併症(妊娠高血圧腎症)の予防効果
※健康食品のすべて-ナチュラルメディシン・データベース日本対応版/同文書院による評価
ビタミンC摂取の臨床試験による効果・効能:
効果があると断言はできませんが、ビタミンCを含む食品・ビタミンCサプリメント・ビタミンC製剤の摂取による臨床試験や疫学調査により次のような効果・効能が示唆されています。
・壊血病などのビタミンC欠乏症の治療・予防効果
・野菜や果物などのビタミンCを含む食品を多く摂取している人は、そうでない人に比べて心臓血管病や虚血性心疾患での死亡率が約30%低かった
・加齢黄斑変性患者が抗酸化物質(ビタミンC・ビタミンE・ベータカロチン)と亜鉛を併用摂取したところ、症状の進行が抑えられた
・ビタミンC・ビタミンE・ベータカロチン・亜鉛の摂取量の多い人は加齢黄斑変性の発症リスクが約35%低かった
・女性にビタミンCサプリメントを10年以上摂取させたところ白内障の発生率が77%減った
(この効果は特に糖尿病の人に顕著だった)
・ビタミンCサプリメントとビタミンEサプリメントを併用摂取したところ、アテローム性動脈硬化の進行が抑えられた
・野菜や果物などの食品からのビタミンC摂取量と乳がんの発症リスクに負の相関が見られた
・一日1000mgのビタミンCの摂取量により風邪の罹患期間や症状の重さが23%低減した
・一日1000mg以上の摂取量のビタミンCサプリメントの摂取により風邪の症状が軽減し回復も早まった
・一日500mgのビタミンCサプリメントの摂取量により収縮期血圧が有意に低下した
・一日500mgのビタミンCの摂取量により2型糖尿病患者の収縮期血圧・拡張期血圧が有意に低下した
・ビタミンC摂取量の多い変形性関節症患者は症状の進行が遅れることが示唆された
・ビタミンCサプリメントとビタミンEサプリメントを併用摂取すると血管性認知症・混合型認知症の予防効果が認められた
※これらの効果・効能は病気の人に対する医師の処方によりビタミンCを摂取した場合の効果・効能で、独自の判断によるビタミンC摂取による効果・効能ではありません。
後述しますようにビタミンCの過剰摂取には副作用が生じることがありますのでご注意ください。
ビタミンCの摂取量:
ビタミンCの一日の推奨摂取量は1~2歳40mg、3~5歳45g、6~7歳60mg、8~9歳70mg、10~11歳80g、12歳以上100mg、妊娠中の女性110mg、授乳中の女性150mgとされています。
ビタミンCの摂取量上限(過剰摂取基準)・副作用:
ビタミンCの摂取量上限(過剰摂取基準)は一日2000mgで、この摂取量を超える量のビタミンCを摂取(過剰摂取)すると次のような副作用を生じることがあります。
・下痢
・高尿酸血症
・胃の不調
・鉄の吸収過剰による鉄過剰症・ヘモクロマトーシス(血色素症)・サラセミア(地中海貧血)・鉄芽球性貧血の症状悪化
・腎結石の既往歴のある人の腎結石の再発症リスクの増大
ビタミンCを含む食品:
ビタミンCを含む食品としては野菜・果物・いも類・緑茶などが挙げられ、特にビタミンCを多く含む食品としてはアセロラ・グアバ・赤ピーマン(パプリカ)・菜の花・いちご・ブロッコリー・芽キャベツ・柿・ネープルオレンジ・はっさく・キウイフルーツ・みかん・ほうれん草・レモン・パセリ・カブの葉・小松菜・大根の葉・ピーマン・完熟パパイヤがあります。
ビタミンC欠乏症:
ビタミンCが不足(欠乏)すると様々な欠乏症の症状が表れます。ビタミンC欠乏症の症状としては次のようなものが知られています。
・壊血病
・子供の骨の発育不良
・骨粗しょう症
・免疫力が低下し風邪を引きやすくなる
・歯肉色素沈着症
・疲労(軽度のビタミンC欠乏症の場合)
ビタミンCの特に不足(欠乏)しやすい人:
次に該当する人は特にビタミンCが不足(欠乏)しやすくなりますので、ビタミンC欠乏症の予防のためにも意識してビタミンCを摂取する必要があります。
・喫煙
タバコに含まれるニコチンがビタミンCの排泄を促進します。
・激しい運動や肉体労働
・風邪などの感染症
・ストレス
・多量のアルコール
・ピル
これらはビタミンCの消費量を増やすためビタミンC欠乏症のリスクを高めます。
ビタミンCと薬との相互作用:
ビタミンCは次の薬との相互作用があるので摂取に当たっては注意が必要です。
・アスピリンをはじめとするサリチル酸系薬剤
ビタミンCがサリチル酸の尿からの排泄を妨げるためアスピリンなどの作用が増強され副作用が出やすくなります。
そのためアスピリンなどのサリチル酸系薬剤を服用している人はビタミンCを大量に摂取してはならないとされています。
(「大量に」ですから野菜や果物などの食品からビタミンCを摂取する分には問題ないと思われます)
・ワルファリン
ビタミンCを大量に摂取するとワルファリンの作用を弱め血液が凝固する危険性を高める可能性があります。
(同じく野菜や果物などの食品からビタミンCを摂取する分には問題ないと思われます)
・エストロゲン
エストロゲンの服用中にビタミンCサプリメントを摂取すると、エストロゲンの作用が強まり副作用が現れる可能性があります。
・フェルフェナジン
大量のビタミンCの摂取は体内のフェルフェナジンの量を減少させ治療効果を弱める可能性があります。
・エイズ治療薬(プロテアーゼ阻害薬)
大量のビタミンCの摂取は体内のエイズ治療薬の量を減少させ治療効果を弱める可能性があります。
・コレステロール値を下げる薬(高脂血症治療薬)
高脂血症治療薬を服用している人がサプリメントによりビタミンC・ビタミンE・ベータカロチン・ナイアシン・セレニウムを同時摂取すると、ナイアシンの善玉コレステロール増加作用を弱める可能性があります。
・サルサラート
ビタミンCがサルサラートの尿からの排泄を妨げるため、サルサラートの作用が増強され副作用が出やすくなります。
ビタミンCの栄養機能食品表示:
ビタミンCは栄養機能食品の栄養成分の一つで、ビタミンC含有量24~1000mgの栄養機能食品・サプリメントに限り「ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です」との表示が可能となっています。
ビタミンCの効果的な摂取の仕方:
ビタミンCは水に溶けやすく、また光(紫外線)・熱に弱く酸化しやすいため、ビタミンCを含む食品は購入したらなるべく早く食べないと時間の経過とともにビタミンCが失われていきます。
特に皮をむくとビタミンCが急速に失われていき、例えば大根おろしでは2時間でビタミンCが半減してしまいます。
そのためビタミンC食品から効果的にビタミンCを摂取するためには、皮をむいたらすぐに食べる・熱に弱いため出来るだけ生のまま食べる・直射日光に当てないなどの工夫が必要です。
またビタミンPにはビタミンCの吸収率を高める効果があるため、ビタミンCを摂取するときにはビタミンPも同時摂取すると、より効果的にビタミンCを摂取できます。
ビタミンPはローズヒップの他、柑橘類などの果物・蕎麦などに含まれています。
(ローズヒップ・柑橘類などの果物にはビタミンCも多く含まれているため、これらの食品を摂取することでビタミンCとビタミンPを同時摂取できます)
ビタミンCの用途:
ビタミンCはサプリメント・健康食品のほか食品の酸化防止剤としても使われています。
ビタミンCの効果・効能・摂取量・過剰摂取・ビタミンC食品 参考文献:
栄養の基本がわかる図解事典/成美堂出版
最新栄養成分事典/主婦の友社
機能性食品素材便覧-特定保健用食品からサプリメント・健康食品まで/薬事日報社
健康食品のすべて-ナチュラルメディシン・データベース日本対応版/同文書院
野菜の科学/朝倉書店
最新サプリメント・ガイド/日本評論社
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