サプリメントによるベータカロチンの取りすぎは喫煙者の肺がんの発症リスクを高めるという副作用があるようですが、野菜からベータカロチンを摂取する限りベータカロチンの取りすぎの副作用は心配ないようです。
ベータカロチンの取りすぎ 目次:
ベータカロチンとは
ベータカロチンの栄養機能食品表示
ベータカロチン単独摂取の抗酸化作用は不明
ベータカロチン取りすぎの副作用の危険性も存在
ベータカロチンの効果
ベータカロチン サプリメントの安全性
ベータカロチン サプリメントの薬との相互作用
ベータカロチンを含む食品
ベータカロチン サプリメントの飲み方
ベータカロチンの効果・取りすぎの副作用 参考文献
ベータカロチンとは:
ベータカロチンとはカロテノイドの一種で、体内で必要に応じてビタミンAが合成されるプロビタミンA*(ビタミンA前駆体)として、また1980年代以降はその強力な抗酸化作用によるガン・動脈硬化などの生活習慣病予防効果が注目されてきました。
*ベータカロチンはカロテノイドの中で最も効率よくビタミンAが合成されるプロビタミンAです。
ベータカロチンの栄養機能食品表示:
ベータカロチンは栄養機能食品の栄養成分の一つとして、135-600μgビタミンA当量(ベータカロチン含有量として0.81-3.6mg)の範囲の含有に限り、「ベータカロチンは、夜間の視力の維持を助ける栄養素です。ベータカロチンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。」との表示が可能となっています。
ベータカロチン単独摂取の抗酸化作用は不明:
近年ベータカロチンのみをサプリメントで摂取した場合に限って、ベータカロチンの抗酸化作用による生活習慣病予防効果について効果が疑問視される実験結果が出てきました。
また効果が認められた場合でも、ベータカロチン単独よりも同じく抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンであるビタミンEを同時摂取した方がより効果が高かった、との報告もあります。
ベータカロチン取りすぎの副作用の危険性も存在:
ベータカロチンの取りすぎによる副作用の危険性についても、これまでベータカロチンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されることから取りすぎによる副作用は存在しないと思われてきましたが、サプリメントなどから取りすぎした場合は柑皮症などのベータカロチン過剰症に陥る危険があることが明らかとなってきました。
特に喫煙習慣のある方ほど、ベータカロチンの取りすぎの副作用に注意が必要です*。
*「喫煙習慣のある方が毎日20mgのベータカロチンを5-8年摂取し続けると、肺がん・前立腺がん・脳出血・心臓血管病のリスクが増加した」との報告があります。
もっとも、一般に市販されているベータカロチン サプリメントからのベータカロチン摂取量は1粒あたり2-3mg程度ですから、摂取量の目安を守る限り取りすぎの心配はありません。
※これはベータカロチンをサプリメントから取りすぎした場合の副作用であり、ベータカロチンを野菜・果物などの食品から摂取する限りでは取りすぎの副作用の心配はありません。
ベータカロチンの効果:
ベータカロチンを含む食品(野菜・果物など)・ベータカロチンのサプリメントを定期的に摂取することにより次のような効果が期待されています。
効果レベルA
・夜間の視力維持の効果
・皮膚・粘膜の健康維持の効果
・ビタミンA欠乏症の症状改善の効果
効果レベルC
心臓病・癌*のリスク低減の効果(抗酸化作用による効果)
*口腔がんについてのみ、ベータカロチンをサプリメントで摂取した場合でも癌予防効果があることが認められています。
※いずれも機能性食品素材便覧による評価
効果レベル2
骨髄性プロトポルフィリン症(EPP)にみられる光線過敏症の改善の効果
効果レベル3
・加齢黄斑変性症への効果(ただし治療薬との併用)
・口腔白斑症への効果
・変形関節症の悪化予防への効果
・閉経後の女性の卵巣がん予防への効果
・運動誘発性喘息の予防への効果
・喫煙者の気管支炎や呼吸困難の予防への効果
※いずれも健康食品のすべて-ナチュラルメディシン・データベース日本対応版/同文書院による評価
ベータカロチン サプリメントの安全性:
ベータカロチン サプリメントはほとんどの方に安全ですが、次に該当する方は摂取を控えた方が良いかもしれません。
・喫煙習慣のある人
・恒常的にアスベストを浴びている人
・妊娠中の女性
・赤ちゃんに母乳を飲ませている女性
・心臓の血管形成手術を控えている人
(健康食品のすべて-ナチュラルメディシン・データベース日本対応版/同文書院 P.480)
※これはベータカロチンをサプリメントから摂取した場合であり、ベータカロチンを野菜・果物などの食品から摂取する限りでは安全性に問題はありません。
ベータカロチン サプリメントの薬との相互作用:
高脂血症治療薬との相互作用
サプリメントによりベータカロチン・ビタミンC・ビタミンE・セレニウムを同時摂取すると、高脂血症治療薬(血中コレステロールを下げる薬)の効果を弱める可能性があります。
ナイアシンとの相互作用
同じくサプリメントによりベータカロチン・ビタミンC・ビタミンE・セレニウムを同時摂取すると、ビタミンB群の一種ナイアシンのHDL(善玉)コレステロール増加作用を弱める可能性があります。
以上のようにベータカロチンをサプリメントで摂取することには相互作用も含めて様々な弊害があることが判ってきたため、現在ではベータカロチンはサプリメントではなく、極力野菜・果物から摂取することが望ましいとされています。
これはベータカロチンの場合に限らず、抗酸化作用が一つの栄養素の力というよりも他のファイトケミカルとの相乗効果によってより強く作用すると考えられているからです。
しかし野菜や果物の摂取がどうしても難しい場合は、次善の策として後述のような方法でサプリメントからベータカロチンを摂取するのが適当と思われます。
※ビタミンA欠乏症・加齢黄斑変性症などの治療により医師からベータカロチンが処方される場合はこの限りではありません。
ベータカロチンを含む食品:
ベータカロチンは緑黄色野菜・果物のほか、海藻にも含まれています。ただし海藻は一回の食事からの摂取量が少ないため、ベータカロチンの主要な補給源とはなり得ません。
ベータカロチン サプリメントの飲み方:
脂溶性ビタミンであるベータカロチンは脂肪と一緒に摂取することで吸収率がアップします。またベータカロチンの単独摂取による抗酸化作用については効果が疑問視されてもいます。
したがって次のような方法がベータカロチン サプリメントの飲み方としては有効と考えられます。
1. 食事の際に飲む。
2. 食間の場合は、牛乳・豆乳など脂肪を含む飲料で飲む。
3. その際、ベータカロチン・ビタミンC・ビタミンE・セレニウムすべてをサプリメントで同時に摂取することは避ける。
ベータカロチンの効果・副作用 参考文献:
最新栄養成分事典/主婦の友社
ファイトケミカルで病気を防ぐ/マキノ出版
機能性食品素材便覧/薬事日報社
健康食品のすべて-ナチュラルメディシン・データベース日本対応版/同文書院
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