卵は完全栄養食品？
サイゼリアのドレッシングのブログの下調べ中に、卵は完全栄養食品という言葉に出会いました。卵は完全栄養食品…確かに昔からよく聞きます…
なかには「卵は完全栄養食品だから、卵だけ食べていれば栄養バランスが保たれて健康になる」と信じて疑わない方もいらっしゃいます（本当の話です）。
はたして完全栄養食品といわれるほど、卵は本当に栄養バランスが完璧な食品なのでしょうか？ さっそく五訂増補食品成分表で調べてみました。
完全栄養食品にはほど遠い卵…
「完全栄養食品」という文言は私の持っている食品成分表でも使われていました。「卵にはビタミンCを除くすべての栄養素が含まれているため完全栄養食品といわれる」と。
ところが、それぞれの栄養素の含有量を調べてみると…確かに含まれてはいますが、その量はごく僅かという栄養素がかなり見受けられました。
食品成分表によると、卵に豊富に含まれる栄養素は、ビタミンA・ビタミンB2・ビタミンB12・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンK、葉酸・パントテン酸（いずれもビタミンBの一種）、鉄、亜鉛、タンパク質、リン脂質で、その他の栄養素に関してはさほど多くは含まれていませんでした。
どうも完全栄養食品の「完全」とは、単に「（ビタミンCを除く）すべての栄養素が（たとえ僅かでも）含まれている」ことを意味しており、決して卵だけで一日に必要な栄養素を過不足なく摂取できるわけではないようです。
もともとは栄養が豊富程度の意味合いで使われ始めたのかもしれませんが、なまじ完全などという文言が使われているがために、冒頭のような誤解が生じているのでしょう。
食品成分表
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