葛は血行不良・風邪・二日酔い・高血圧への効用が期待されている健康食品です。
血行不良・風邪・二日酔い・高血圧などへの効用のほか、葛の効用についてまとめてあります。
葛の効用 目次:
葛とは
葛の品種
葛の生息地
葛の食品表示基準の問題点
葛の品質
葛の栄養
葛のカロリー
葛の効用
・葛の循環器・血管系への効用
・葛の内分泌・代謝系への効用
・葛の消化器系への効用
・葛の神経系への効用
・葛の免疫系への効用
・葛の生殖器系への効用
・葛の泌尿器系への効用
・葛の肝臓への効用
・葛の胆のうへの効用
・葛の筋肉・皮膚・関節への効用
・葛の感覚器への効用
・葛の感染症・抗菌・抗ウイルスへの効用
・葛のその他の効用
葛の臨床試験での効用
葛の効用の科学的有効性
葛の摂取量
葛の摂取量上限(過剰摂取基準)・副作用・安全性
・葛を摂取してはいけない人
・葛の摂取にあたって注意が必要な人
・葛の根の抽出物(葛エキス)を摂取してはいけない人
・葛の副作用
葛の相互作用
葛の利用法
・葛粉
・葛きり
・葛餅
・葛湯
・葛茶
・葛根湯などの漢方薬
・葛エキス
・葛鰹
・秋の七草
・葛布
葛の効用・栄養 参考文献
葛粉・葛きり・葛餅・葛湯・葛茶・葛うどん・葛エキス・葛の効用解説本☆通販
葛とは:
葛とはマメ科クコ属の植物で、昔から葛の根(葛根)を粉にした葛粉*が葛きり・葛餅・葛湯などの料理・飲み物に使われてきました。
*関連健康食品ブログ:
葛粉の効能(作成中)
また葛には血行不良・二日酔い・高血圧など様々な効用が期待されるため葛の根(葛根*)が生薬の葛根や漢方の葛根湯・参蘇飲などの原料として使われてきました。
*関連健康食品ブログ:
葛根の効能(作成中)
葛の品種:
葛には日本に生息する葛根大和葛のほか台湾葛・シナノ葛などの品種があります。
葛の栽培地:
葛は日本のほか中国・フィリピン・インドネシア・ニューギニアなどに生息しており、日本では特に九州・近畿地方に多く生息しています。
日本の葛の最大生産地は鹿児島です。
葛の食品表示基準の問題点:
日本では現在、葛を使った食品についての明確な表示基準が存在しません。
そんため葛以外の食品(さつまいも・じゃがいも・とうもろこし)を原料とした食品やそれらを葛と混ぜた食品が葛粉・本葛などと称して販売されているのが現状です。
(表示例:名称 葛粉・原材料名 甘藷澱粉(さつまいもの澱粉))
ですから葛の効用を期待して葛食品を購入するときは、必ず原材料名に葛の表示があるものを購入する必要があります。
ただし本物の葛が原料に使われている葛食品は一般的に高価です。
葛の品質:
原料に葛のみを使用した葛粉は本葛*と呼ばれ、他の食品の澱粉を使用した葛粉に比べて効用が高いと言われています。
また同じ葛(本葛)でも苦味が強い葛ほど効用が高いと言われています。
*関連健康食品ブログ:
本葛の効能(作成中)
ただし上述のように日本には葛を使った食品についての明確な表示基準が存在しないため、葛以外の食品の澱粉を原料とした葛粉やそれらを葛と混ぜた葛粉までもが本葛と称して販売されているのが現状です。
奈良の吉野葛、石川の宝達葛、静岡の掛川葛、三重の伊勢葛、福井の若狭葛、福岡の秋月葛などが良質の葛(本葛)とされています。
葛の栄養:
葛の根(葛根*)には鉄分などの栄養のほか、イソフラボン誘導体のプエラリン・ダイズイン・ダイゼインなどのファイトケミカルが多く含まれています。
特にプエラリンはビタミンEの100倍の抗酸化物質としての効用を有していると言われています。
*関連健康食品ブログ:
葛根の効能(作成中)
葛のカロリー:
葛の根(葛根)から作られる葛粉のカロリーは100gあたり347キロ カロリー、葛きりのカロリーは乾燥状態の葛きりで100gあたり356キロ カロリー、茹でた葛きりで100gあたり135キロ カロリーです。
葛の効用:
葛には次のような効用が期待されています。
(ただし必ずしも効用が科学的に確かめられているものばかりとは限りません)
葛の循環器・血管系への効用
・高血圧への効用(血圧を下げる効用)
・葛抽出物(葛エキス*)の血行不良を改善する効用
・葛抽出物(葛エキス)の高血圧への効用(血圧を下げる効用)
・葛抽出物(葛エキス)の冠状動脈を拡張する効用
・心拍リズムを安定させる効用
・狭心症の予防・治療への効用
・葛に含まれるプエラリン**が動物実験で血圧を15%下げる効用が確認された
・不整脈への効用
*関連健康食品ブログ:
葛エキス(作成中)
**関連健康成分ブログ:
プエラリン(作成中)
葛の内分泌・代謝系への効用
・糖尿病への効用
・葛の根(葛根)の糖尿病の喉の渇きへの効用
葛の消化器系への効用
・消化管機能回復への効用
・葛の花の胃炎への効用
・葛の花の吐き気への効用
・葛の花の嘔吐への効用
・葛の花の腹部膨張感(お腹の張り)への効用
・葛湯の滋養強壮への効用
・葛湯の胃を丈夫にする効用
・葛湯の整腸薬としての効用
・赤痢への効用
・下痢への効用
・胃炎への効用
・胃の働き(消化機能)を高める効用
・排便時間短縮への効用
・小腸の働きを高める効用
・胃液の分泌を促す効用
葛の神経系への効用
・葛の煎液の発汗を促す効用
・葛の煎液の発熱への効用(解熱薬としての効用)
・葛の煎液の痛みへの効用(鎮痛薬としての効用)
・葛の煎液の偏頭痛(片頭痛)への効用
葛の免疫系への効用
・免疫力低下への効用(免疫力を高める効用)
(マウスによる動物実験において葛の摂取により免疫T細胞が増大し、細胞障害性Tリンパ球・NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の働きが活性化された)
葛の生殖器系への効用
・葛湯*の母乳の出をよくする効用
*関連健康食品ブログ:
葛湯の効用(作成中)
葛の肝臓への効用
・葛の花・根(葛根)の煎液の二日酔いへの効用
・葛の根と葉に含まれるダイズイン・ダイゼインがアルコールへの欲求を抑制することによるアルコール中毒(アルコール依存症)への効用
・葛の根と花が二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの蓄積を促し飲酒中に気分が悪くなることで結果的に飲酒量が減ることによるアルコール中毒(アルコール依存症)への効用・大量飲酒予防への効用
・葛の実の漢方の肝臓病への効用
・葛の実に含まれるベタインの脂肪肝への効用
・葛エキスの脂肪肝の予防・治療への効用
・葛エキスの肝臓を保護する効用
葛の胆のうへの効用
・胆汁の排泄を促す効用
(したがって胆汁の原料となるコレステロールを減らす効用もあると考えられます)
葛の筋肉・皮膚・関節への効用
・葛の葉の切り傷への効用
・葛の実の漢方の膝の痛みへの効用
・葛の根(葛根)の肩こり・首のこり・背中のこりへの効用
・蕁麻疹への効用
・かゆみへの効用
・乾癬への効用
葛の感覚器への効用
・葛の根(葛根)の突発性難聴への効用
・副鼻腔炎(蓄膿症)への効用
・加齢黄斑変性症への効用
・目の暗所適応への効用(暗所での視力回復への効用)
・葛の漢方の耳鳴りへの効用
・葛の漢方のめまいへの効用
葛の感染症・抗菌・抗ウイルスへの効用
・葛の根の煎液の風邪への効用
・インフルエンザへの効用
・発熱性疾患への効用
・軽度の扁桃腺炎(扁桃腺の腫れ)への効用
葛のその他の効用
・葛の根(葛根)の浸水液の発熱への効用
・熱性病への効用
・葛の根(葛根)に含まれるダイゼインの痙攣への効用
葛の臨床試験での効用:
・71名の狭心症の患者が葛の根の抽出物(葛エキス)1日10-15gを4-22週にわたって摂取したところ49名に症状の改善が見られた
・52名の被検者が葛の根(葛根)小さじ8杯を入れたお茶(葛茶)を2-8週間摂取したところ47名の血圧が低下した(うち17名は著しく血圧が低下した)
葛の効用の科学的有効性:
効用の有効性レベルC(少数例のヒト試験とそれを支持する動物試験において効用の有効性を示唆)
・高血圧への効用(血圧を下げる効用)
※機能性食品素材便覧-特定保健用食品からサプリメント・健康食品までによる評価
葛の摂取量:
参考文献に葛・葛粉の具体的な摂取量の記述は見当たりませんでしたが、葛の根の抽出物(葛エキス)・葛チンキ剤については摂取量の記述が掲載されていました。
葛エキスの摂取量は30-120mgを1日2-3回、葛チンキ剤の摂取量は小さじ1/4杯を1日1-3回または商品に記載の摂取量とされています。
葛の摂取量上限(過剰摂取基準)・副作用・安全性:
参考文献に葛・葛粉の具体的な摂取量上限(過剰摂取基準)の記述は見当たりませんでしたが、葛の根の抽出物(葛エキス)・葛チンキ剤については摂取量上限(過剰摂取基準)の記述が掲載されていました。
葛エキスの摂取量上限(過剰摂取基準)は30-120mgを1日2-3回まで、葛チンキ剤の摂取量上限(過剰摂取基準)は小さじ1/4杯を1日1-3回まで、または商品に記載の摂取量とされています。
また参考文献には葛の安全性・副作用に関する次のような記述がありました。
葛を摂取してはいけない人
・妊娠中・授乳中の女性
・心臓病の人
・出血傾向や血液凝固疾患のある人
・乳がん・子宮がん・卵巣がん・子宮内膜症・子宮筋腫の女性
葛の摂取にあたって注意が必要な人
・糖尿病の治療を受けている人
(葛には血糖値を下げる作用があると考えられるため低血糖を引き起こす可能性があります)
葛の根の抽出物(葛エキス)を摂取してはいけない人
・胃の弱い人
・虚弱体質の人
(ただしいずれも葛を葛餅・葛きり・葛うどん・葛湯・葛茶などの葛粉を用いた食品として摂取する限りは安全なようです)
葛の副作用
・参考文献に葛の副作用についての記述は見当たりませんでした。
葛の相互作用:
葛・葛エキス・葛粉を用いた食品には次の薬・サプリメント・ハーブ・食品との間に相互作用があることが知られています。
・血液凝固抑制薬(抗凝固薬・抗血小板薬・抗血栓薬)
葛・葛エキス・葛粉を用いた食品には血液の凝固を抑える作用があると考えられています。
そのため血液凝固抑制薬(抗凝固薬・抗血小板薬・抗血栓薬)を服用している人が葛・葛エキス・葛粉を用いた食品を摂取すると、あざや出血を生じる危険性があります。
血液凝固抑制薬を服用している人が葛・葛エキス・葛粉を用いた食品などを摂取する場合は必ず医師にご相談ください。
血液凝固抑制薬にはアスピリン・クロピドグレル・ジクロフェナク・イブプロフェン・ナプロキセン・ダルテパリン・エノキサパリン・ヘパリン・ワルファリンなどがあります。
・糖尿病治療薬(血糖降下薬)
葛・葛エキス・葛粉を用いた食品などには血糖値を上げる作用があると考えられています。
そのため糖尿病治療薬(血糖降下薬)を服用している人が葛・葛エキス・葛粉を用いた食品などを摂取すると糖尿病治療薬(血糖降下薬)の治療効用を弱めてしまう危険性があります。
糖尿病治療薬を服用している人が葛・葛エキス・葛粉を用いた食品などを摂取する場合は必ず医師にご相談ください。
糖尿病治療薬にはグリメピリド・グリブリド・インスリン・ピオグリタゾン・クロロプロパミド・グリピジド・トルビタミドなどがあります。
アスピリン
葛には血糖値を下げる効用があると考えられていますが、アスピリンにはこの葛の効用を強める可能性があるため、アスピリンを服用している人が葛・葛エキス・葛粉を用いた食品などを摂取すると血糖値が下がりすぎる危険性があります。
アスピリンを服用している人が葛・葛エキス・葛粉を用いた食品などを摂取する場合は必ず医師にご相談ください。
・ピル(経口避妊薬)
ピル(経口避妊薬)を服用している人が葛・葛エキス・葛粉を用いた食品などを摂取するとピル(経口避妊薬)の効用を弱めてしまう恐れがあります。
・エストロゲン
エストロゲンを使用している人が葛・葛エキス・葛粉を用いた食品などを摂取すると、葛・葛エキス・葛粉を用いた食品などに含まれるカフェインの分解が抑制され、その結果、神経過敏・頭痛・頻脈などのカフェインの副作用が生じる危険性があります。
そのためエストロゲンを使用している人は葛・葛エキス・葛粉を用いた食品などの摂取を控える必要があります。
・メトトレキサート
葛・葛エキス・葛粉を用いた食品にはメトトレキサートの体内からの排泄を抑制しメトトレキサートの副作用を生じさせる危険性があります。
メトトレキサートを服用している人が葛・葛エキス・葛粉を用いた食品などを摂取する場合は必ず医師にご相談ください。
・タモキシフェン
葛・葛エキス・葛粉を用いた食品に含まれるダイゼインはタモキシフェンの治療効用を弱めてしまう恐れがあります。
タモキシフェンを服用している人が葛・葛エキス・葛粉を用いた食品などを摂取する場合は必ず医師にご相談ください。
・血管系の薬
その他の血管系の薬を服用している人が葛・葛エキス・葛粉を用いた食品などを摂取すると薬の効用を弱めてしまう恐れがあります。
血管系の薬を服用している人が葛・葛エキス・葛粉を用いた食品などを摂取する場合は必ず医師にご相談ください。
葛の利用法:
葛には次のような利用法があります。
葛粉
葛の根から得られる澱粉を精製した粉が食用の澱粉として利用されています(葛粉)。
(葛粉は最高級の澱粉とされています)
葛きり
葛粉を水で溶かしてから加熱し冷却して板状に固めたものをうどんのように細長く切ったものが葛きりとして食されています。
葛餅
葛粉から作られた餅が葛餅として食されています。
葛湯
葛粉を水で溶いて砂糖を加え、鍋等で緩やかに加熱しながら透明になるまで練ったものが葛湯として飲まれています。
葛湯はとろみがあるために冷めにくく体が温まり消化にも良い為、昔から離乳食・流動食・介護食・病み上がりの飲み物として重宝されてきました。
葛茶
葛の根(葛根)を煎じたお茶が健康茶として飲まれています(葛茶)。
葛うどん
葛粉をうどん状にしたものが葛うどん として食されています。
葛根湯などの漢方薬
葛の皮を剥がして乾燥させたものは漢方では葛根と呼ばれ、葛根湯・参蘇飲などの漢方薬に使われています。
葛エキス
葛の抽出物(葛エキス)がサプリメント・健康食品として販売されています。
葛鰹
葛粉をすり鉢で細かくすり小豆の煮汁を加え、やや固めにこね布巾の上に練り伸ばし鰹の形にしたのものが精進料理で刺身の代わりの料理として利用されています。
秋の七草
葛は秋の七草の野草としても使われています。
葛布
葛のつるを煮てから発酵させ取りだした繊維で編んだ布は葛布と呼ばれ、かつては衣服・壁紙などに幅広く使われていました。
葛布は遠州(現在の静岡県掛川市)の特産品です。
葛の効用・栄養 参考文献:
機能性食品素材便覧-特定保健用食品からサプリメント・健康食品まで/薬事日報社
健康食品のすべて-ナチュラルメディシン・データベース日本対応版/同文書院
ハーブの安全性ガイド/フレグランス・ジャーナル社
吉野本葛ほか、美味しい葛粉・葛きり・葛餅・葛湯・葛茶・葛うどん・葛エキス・葛入り健康食品☆通販
葛の効用・栄養・レシピ解説本