ビタミン・ミネラル・ファイトケミカルなど、野菜の栄養を効果的に摂るためには温野菜・生野菜のどちらか一つだけではなく、両方の方法で野菜を摂る必要があります。また旬の野菜を食べることも有益です。
野菜の栄養摂取 温野菜vs生野菜:
緑黄色野菜をはじめとした野菜には、ビタミン・ミネラル・ファイトケミカルなど様々な栄養が含まれていますが、これらの栄養の効果的な摂取方法については複数の主張があります。
主なものとしては
1. 油で炒めた野菜や火を通した野菜(温野菜)の方が栄養の吸収率が高まる
2. 野菜は生のまま(生野菜)で食べた方が、野菜に含まれる栄養を残らず摂取できる
などがありますが、どちらの主張も野菜に含まれているすべての栄養について当てはまるわけではありません。
1の主張は主としてベータカロチンなど一部の栄養の吸収に関する効果であり、2の主張はリビングフードと呼ばれるものですが、これについては科学的根拠が十分ではありません*。
*個人的にリビングフードは、科学的な常識を「(盲目的に)すべて否定する」ことが理論の出発点となっている感があり、観念論としか思えません。
野菜の食べ方には次のような栄養摂取への影響があります。
火を通した野菜の栄養摂取への影響
野菜の栄養のうち、ファイトケミカルの多くは たんぱく質などと硬く結合した状態で存在しているため
、そのまま摂取したのでは吸収率がよくありません。野菜を適度に加熱することで、結合が分離されファイトケミカルが吸収されやすくなります。
さらに油で炒めると、ベータカロチン・ビタミンE・ビタミンKなど脂溶性ビタミンの吸収率も大幅にアップします。
また野菜の一つ一つの細胞はセルロースと呼ばれる不溶性食物繊維からできた硬い細胞膜に覆われています。火を通した野菜を食べることには、この細胞膜を壊して(熱で破壊されてしまう栄養を除いた)栄養の消化吸収を良くするという利点もあります。
生野菜の栄養摂取への影響
野菜をそのまま生で食べた場合、上述の野菜に火を通すことによる栄養摂取上のメリットは得られません。
しかし栄養の中には、熱によって壊れてしまうものがあります。ビタミンCや、ルテイン・ゼアキサンチンなどキサントフィル類に分類されるファイトケミカルです。これらの栄養を野菜から効果的に摂取するためには生で食べる必要があります。
いろいろな調理法で野菜を食べる☆
以上のように野菜に火を通すか否かについては、効果的な栄養摂取の観点からそれぞれにメリット・デメリットがあります。
したがって野菜に含まれる栄養を効果的に摂るには、特定の食べ方に頼るのでは不十分で、野菜炒め・野菜サラダ・野菜ジュースなど様々な方法で野菜を摂取した方が有効です。
もちろん、これ以前に多種類の野菜を摂ることが重要であることは言うまでもありません。
旬の野菜は栄養も豊富♪
また、旬の野菜は時期はずれの野菜に比べてビタミン・ミネラルなどの栄養が2~5倍も多く含まれています。旬の野菜は おいしい だけでなく栄養も豊富です☆
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