少し前から、ダイエット方法について本当のことが知りたくて、少し専門的な本を読み始めました。
そして次のような事実を知りました。
人間の体には、糖分濃度(ex. 血糖値)を常に一定に保とうとする性質があります。また、糖分は水に溶けた状態で体の中に存在しています。
そして、体の水分量はほぼ一定なため、結果として体の中に存在する糖分の量もほぼ一定に保たれています*。
*血糖値が一定以上変化すると、上昇すれば糖尿病のような症状を引き起こし、下降すれば意識がもうろうとしてフラフラになります。
このことをダイエットについて考えると、摂取カロリーと消費カロリーとの差は、基本的に脂肪の量によって調節されていることになります。
体は、摂り過ぎたカロリーを脂肪の増加(=エネルギー備蓄)で、(エネルギー消費に)足りないカロリーは脂肪を分解・燃焼することで補っているのです*。
*脂っこい食べ物ばかりでなく、甘い物を食べ過ぎても脂肪が増えますよね。
ただし、この法則が崩れる場合があります。激しい運動のような、一度にたくさんのエネルギーを消費する時がこれにあたります。
安静時の脂肪と糖分の燃焼割合は2:1(寝ていても脂肪は燃焼されているんです!)ですが、運動時にはこれが1:1以下に下がり、さらに100mダッシュのような激しい運動ではほとんど糖分のみが使われます*。
*脂肪をエネルギーに変えるには糖分に比べて時間がかかるため、激しい運動時には供給が追いつかず、素早くエネルギーに変えられる糖分が重点的に使われます。
同じ運動でも運動強度が低いほど脂肪の燃焼割合が高いわけですから、脂肪を燃焼するには有酸素運動の方が効果的という考え方が生まれてきても不思議ではありません。
ところが、話はそう簡単ではありません。さきほどの糖分濃度のことを今一度思い起こす必要があります。
運動によって糖分濃度が一次的に変化すると、体は元の濃度に戻そうと働き始めます。
例えば、激しい運動によって糖分が大量に失われると、次のエネルギー補給時(=食事)に摂取カロリーを(各部の)失われた糖分の補充に重点的に振り分けることで糖分量の回復が図られます。
逆の場合は、摂取エネルギーが重点的にエネルギー備蓄(脂肪蓄積)に回されます。
このように、一次的に脂肪:糖分の燃焼比率を変えることができたとしても、次のエネルギー補給時は糖分濃度を一定に保つ体の仕組みによって、本来の適正な状態に戻ってしまいます。
※有酸素運動のみならず、数ある脂肪燃焼を促進する成分についてもまったく同じことがいえます。
ただしこれらの脂肪燃焼促進成分も、効果があまり期待できないのは私も含めた一般の方の場合であって、スポーツ選手の場合は幾分事情が違ってきます。
関連ページ:ダイエットとスポーツでは目的が違う@脂肪燃焼促進効果
結局、脂肪の燃焼量は運動の質ではなく運動量(運動強度×運動時間)によって決定され、脂肪量の増減は摂取カロリーと消費カロリーとの差で決まる、という当たり前の結論に行き着くことになります。
摂取カロリーと消費カロリーのバランスさえとれば、あとは「体が」生命維持のための仕組みを通して、脂肪を消費に必要な分だけ減らしてくれます☆
体の仕組みを理解すると、ダイエット方法がシンプルになります♪
その後の勉強で、有酸素運動や脂肪燃焼を促進する物質も、持久力トレーニングを「長時間」行う場合に限ってはダイエットに効果があることが判ってきました。
関連ページ:脂肪燃焼と脂肪分解の違い@シンプルダイエット♪
エネルギー代謝を活かしたスポーツトレーニング/八田秀雄著
エネルギー代謝の仕組みについて、一般の方にも分かりやすく書かれています。ダイエットについて、実に考えさせられることの多い本です☆
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