2013年4月11日
生理学の本に、とても気になる記述を見つけました。
「空腹時の血中脂肪酸が増加すると、空腹中枢*を刺激して空腹感が形成され、その結果摂食行動が起こされる」とのこと(シンプル生理学 P.86)。
*食欲中枢・摂食中枢とも呼ばれます。
以前に脂肪燃焼と脂肪分解の違い@ダイエットで「運動せずに脂肪燃焼(実際は脂肪分解)促進物質を摂るだけでは、分解された脂肪酸がエネルギーとして使われることがないため、ダイエット効果はない」と書きました。
脂肪組織で脂肪から分解生成された脂肪酸は血液中へ放出されますので、エネルギーの需要がなければ血中脂肪酸濃度を上昇させます。
そして血中脂肪酸濃度の上昇は冒頭のように空腹感を形成しますので食欲が刺激されます。
運動を伴わない脂肪分解促進物質の摂取は、ダイエットに効果がないどころか、食欲を刺激して摂取カロリーを増加させかねないようです。
もし脂肪分解促進物質の摂取で逆に体重が増加してしまった方は「空腹時の血中脂肪酸増加→空腹感の形成」という作用が強く働いて、食事の量や回数が増えてしまったのが原因かもしれません。
※実際の脂肪代謝には様々な要素が影響してきますので、必ずしもこのような単純な図式で捉えられるものではありません。
また「血中脂肪酸増加→空腹感の形成」は空腹時に起こるプロセスですから、食事と共に脂肪分解促進物質を摂取すればこのような弊害は避けられるでしょう。
しかしその場合でも、消化管におけるエネルギー消費に対する脂肪酸の割合は高まるかもしれませんが、トータルのエネルギー消費量(=消費カロリー)が増えるかどうかについては疑問が残ります。
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