夢分析する夢を選ぶ…その過程では、クライエントの中に様々な心の働きが生じています。
「その夢を分析してみようと思われたのには、何か理由があるのですか?」とお尋ねすることでも、夢分析を進めることができます。
なぜ、その夢を分析しようと思うのか?
夢分析を行う(あるいは、カウンセラーに行ってもらう)場合、私たちは決まったルールでもない限り(ex. 一番最近見た夢を分析する)、いくつかの夢の中から「何らかの理由で」ひとつの夢を選びます。
この夢が選択される理由は千差万別で、そこにはクライエントの価値観や、その時におかれている状況、抱えている問題など、実に様々なことが影響を与えているはずです。
言葉を変えれば、クライエントは(たとえ無意識にせよ)「何らかの意味を感じ取って」あるいは「今起こっているプロセスに導かれて」その夢を選択したことになります。
だとすると、これを夢分析に利用しない手はありません。
夢を語っていただいた後、クライエントに
「その夢を分析してみようと思われたのには、何か理由があるのですか?」
とお尋ねすれば、何らかの応答があるはずです。
あとは、その応答をもとにして、傾聴を軸に「クライエント中心療法的な夢分析」を進めていけば、クライエントに固有の夢の意味が明かにされることでしょう。
行き詰まりの打開策として:
「夢の選択の理由」をお尋ねすることは、ジェンドリン著「夢とフォーカシング」の16の質問や、その他の夢分析の技法で「行き詰まった時」にも、打開策の一つとして使えます。
注)夢の内容が語られた後すぐに、クライエントから動きが見られる場合があります(ex. クライエントなりの解釈、目が覚めた時の感情…etc.)。
「夢の選択理由の質問」は、それらを遮ってまで行われるものではありません!
既に起きているプロセスに従った方が、夢分析はスムーズに(そして楽に☆)進みます。