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夢は無意識の人格(性格)タイプを映す鏡-夢分析

ユング心理学の夢の治癒力への疑問-夢分析の洞察の続きです。

夢は無意識の人格(性格)タイプを映す鏡:

これまで夢の意味については、夢のシンボルの持つ象徴的意味*やユング心理学によるところの夢の治癒力を信じてきました。
しかし長年、自由連想法などによる夢分析や自己分析を続けてきたことで無意識への親和性が増すうちに、夢にはシンボルごとの象徴的意味の他に、夢見手の人格タイプ(性格タイプ)が色濃く反映されていることが洞察されました。
*関連ブログ:「夢占い」の各ブログ参照
たとえば私自身は自己愛的性格の中でも対人関係において心理的引き篭もり傾向の強い回避性人格(抑うつ型自己愛性人格)タイプの人間だと自己分析していますが、多くの夢において夢の中の自分(夢の自我)が回避性人格およびそれと対をなす自己愛性人格(誇大型・無関心型自己愛性人格)の特徴を映し出していることに気づかされます。
特に無意識への親和性が増した現在では夢分析を行うまでもなく、夢の自我の特定部分に自己愛的な性格を見出すことが少なくありません。

夢が示すのは人格(性格)に根ざした問題解決の努力

もちろん夢が日常生活と密接な関連があることも事実です。たとえば仕事が忙しいときやトラブルで悩んでいるときには頻繁に仕事の夢を見ます。
以前はこれを夢が問題を解決しようとしている、つまり夢の問題解決能力の証だと考えていましたが、現在ではユング心理学の夢の治癒力への疑問-夢分析でも述べましたように、問題解決能力を有しているのは夢分析を行う日常の自我(意識)であり、夢そのものが問題解決能力を持っているわけではないと考えるようになりました。
おそらくこのような現実の問題を反映した夢は、人格(性格)に根ざした問題解決の努力の仕方を表しており、より具体的には夢見手自身気づいていない無意識の考え方の癖や信念認知行動療法における自動思考)を反映していると思われます。
したがって夢は夢見手の人格(性格)タイプを映す鏡であり、そこには夢見手自身も気づいていない、人格(性格)が色濃く反映された無意識の考え方の癖や信念(自動思考)が随所に見られると考えられます。
夢の意味 心理学的分析本
今回のブログでは主に夢の中の自分(夢の自我)の意味について考察しましたが、夢には自分以外の人物や物なども登場します。
これら自分以外の夢のシンボルは夢見手の外界に対する主観的なイメージを表しており、したがって夢全体は夢見手の内的世界(対象関係)そのものを表していると思われます。
関連ブログ:夢は自己対象・対象関係を映す鏡-ゲシュタルト療法による夢分析

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