夢とは関係のない方向へ…
前回は、傾聴によるメールカウンセリングの効果について報告させていただきましたが、傾聴を夢分析に用いた場合は、さらに興味深いことが起こりました。
傾聴による夢分析のプロセス:
最初に夢の内容をお話しいただき、続いてジェンドリン著「夢とフォーカシング」の質問1、「(夢から)何が心に浮かんできますか?」(P.15)と問いかけます。
そして、現れて来たプロセスに傾聴しながら付いて行きます。
このように夢分析を進めて行くと、往々にしてプロセスが夢の内容とは直接関係のない方向へ進んで行きます。既に、この時点で「夢分析」とは名ばかりの、通常の心理カウンセリングと何ら変わらないプロセスを歩んでいます。
やがて通常の心理カウンセリング同様、「気づき」や「心の変化」が生まれて行く訳ですが、最後まで夢の意味は明らかにされることはありません(←クライエントが望めば話は別です)。
技法を駆使した夢分析では、夢の意味が明かになることで初めて「気づき」が生まれるのに対して、傾聴による夢分析では、夢の意味の理解度に関係なく「気づき」が生まれます。
「気づき」の波及効果の違い:
さらに技法を駆使した夢分析では、往々にして「気づき」が気持ちや行動の変化にまではなかなか繋がらないのですが(傾聴によるメールカウンセリングの効果を参照)、傾聴による夢分析では「気づき」が即、実際の気持ちや行動の変化を促すようです。
これには、カウンセリングの主導権の違いやランクが影響しているように思われます。
関連記事:カウンセラー依存@ランクの影響:傾聴&プロセス指向心理学
夢分析の目的:
夢分析の本来の目的は「夢の意味を明らかにする」ことなのかも知れません。
しかし、現実にお客さまが生き生きと変わっていかれるのを目の当たりにすると、私にはもうそれだけで十分です。夢の意味が必ずしも明らかにされなくとも一向に構わない、とさえ思えてきます。
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