ユング心理学入門/河合隼雄著 第3章「タイプ」(P.47~57)を読む。
主機能・劣等機能:
ある個人が主として依存している心理機能を主機能、その対立機能を劣等機能という。(P.48)
劣等機能とは、劣っているのではなく、普段使われることが少ないために未発達な機能のことです。
それにしても「劣等機能」という言葉自体がネガティブな響きを持っています。もっと上手い言い回しはないものでしょうか?
思考機能:
思考はその対象としての、感覚によって知覚される外的な事実や、心の内部の無意識的主観的なものに依存しているが、前者の要素が強い場合は外向的思考タイプであり、後者の場合は内向的思考タイプである。(P.50)
外向的思考タイプの思考は、いわゆる「他人の受け売り」になりがちです。私は、どちらかというと内向的思考タイプに近く、困ったことに他人の話を聞くのが苦手です。聞いてるそばから次々と連想が浮かんでくるのです。そうなると、もう相手の話は耳に入らなくなります。
外向的思考タイプは、エニアグラムの「タイプ6」、内向的思考タイプは「タイプ5」に近いようです。
感情機能:
外向的感情タイプの人は、自分の気持ちに従ってそのまま生きているが、それは環境の要求するところと非常に良く一致している。(P.52)
一般的に、常に周囲の意見に合わせる人は、あたかも “自分を押し殺している” ような印象を与えがちですが、外向的感情タイプのように「自分の気持ちに従った結果」周囲と意見が一致する人がいるというのは注目に値します。
そう言えばボクの周りにもいます、「誰からも好かれる」タイプの人が…まったく羨ましい限りです(妬み)。
外向的感情タイプは、エニアグラムの「タイプ9」に近いかもしれません。
(「内向的感情タイプ」の説明として)他人に伝えられぬ自分の内的な気持ちは、子供へと投影されることも多く、行き場を失った母親の情熱はすべて子供へと吹き込まれ、この子供が成長し独立してゆくことを非常に困難にする。(P.53)
「母」がこのタイプかもしれません。そう言えば、今まで母の心理学的タイプなど考えたこともありませんでした。
内向的感情タイプの人も、もし自分の感情を表現し、伝えられるグループがあると、その中では「温かい親切な人」として、不変の友情を楽しむことができるのである。(P.53)
ボクが実家にいた当時、母はいわゆる専業主婦で、仲が良かった高校の同級生達も引っ越しで散り散りになってしまい…振り返ってみると「(真に)感情を表現し伝えられるグループ」がなかったと思います。
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感覚機能:
外向的感覚タイプの人は、エニアグラムで言えば「タイプ3(リアリスト)」、内向的感覚タイプの人は「タイプ4(芸術家)」に近い気がします。
直観機能:
外向的直観タイプの人は、外的な物に対して、全ての人が認めている現実の価値ではなく、『可能性』を求めて行動する。(P.56)
外向的直観タイプの人は、「可能性=未来志向」から、エニアグラムの「タイプ7」を連想させます。
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エニアグラム―あなたを知る9つのタイプ 基礎編
ユングのタイプ論―フォン・フランツによる劣等機能/ヒルマンによる感情機能
ユング自身の「タイプ論」は難解な上に大部です。こちらを先に読むのが無難かもしれません。
ユング心理学入門/河合隼雄著
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